気の感覚を身に付ける(2)
指回し気功法
指回し気功をする目的
指先から気がでてくる感覚を鍛えます。繰り返し行うことで、指先の感覚が細かく研ぎ澄まされて効きます。毎日ルーティンを欠かさず行うと効果が期待できます。手や指の感覚が不器用な人がやると特に効果が期待でき、だんだん器用になっていきます。
方法
まず、すべての指先を合わせて、掌の間に丸い気のボールをイメージします。
親指を、指同士が触れないようにして重なり合った状態にして、右手の親指を指先が時計の針の回る方向の右回りをします。
それにつれて、左手の親指の先は、指先が時計の針と反対方向の左回りとします。指が触れ合わないように気を付けて行います。
気は右ねじと同じように右回転すると進行するという特徴があります。右手の親指を右回転すると、気は右手の親指から左手の親指の方向に流れ出します。
この時、呼吸のイメージを、この気の流れに同調させて息を吸い込む時、左親指から、気とともに息を吸い込むとイメージする。
そして息を吐くとき、右親指から吐くようにイメージします。呼吸は、自然に吸って、のどを開きハーっと吐き、息が止まったらそのまま小さくフーっと吐きます。最後にフッフッフーと吐き出きだします。息を吐き切る時に肛門を閉めるのがこつです。
5呼吸の間、集中して、指回し、呼吸、気のイメージを同調させて行い、終わったら、親指の先を1.2cm離して向かい合わせ、右親指から左親指に向かう気の流れを感じるようにして、静かに3呼吸程度、身体の内を見る練習をします。
上手くなると、左親指から流れこんで左腕の中を通り、胸の気の中枢である中丹田に流入して広がり強くなって右腕に流れ込み右親指から流れだしていく気のルートが自覚できるようになります。
このように目に見える動作を行った後に、イメージを中心とした動功を交互に繰り返すことが気功法の上達の秘訣です。
今度は先ほどと逆に、右親指を左回りにして、気を吸い込み、左親指を右回りにして気を吐き出す訓練をします。
丹田呼吸法
丹田呼吸法は、気功や太極拳や太気拳などの中国の拳法で共通して用いられている呼吸法です。身に付けると、深くてゆっくりした呼吸ができるようになり、心が落ち着いて安定感が出てきます。
丹田とは、人間の臍の下あたりから股上の、広い部分を指し、気が一番集中しやすい場所といわれています。丹田に体中の気が集まるのをイメージしながら行います。
方法
丹田呼吸法は三段階で練習します。
第一段階
椅子に座ったままで、両手を下腹に当てます。両手の中指の先が下腹の上でくっつくようにします。
丹田に両手の指先をあてながら三拍子で、息を吐きます。いち、にい、さん~で全部吐きます。
いちで軽く両手全体で丹田を押さえ、にいで指先だけで少し丹田を押え、さん~でさらに指先を丹田を押し込みながら、息を全部吐きます。このとき、腹筋が少しずつ堅くなっていきます。
息は丹田から吐き出すような気持ちで吐くようにします。。吐く息に意識を集中して一心に数を数えます。
息を吸うときは、同じ様に丹田から吸うような気持ちでしますが、このときは楽に吸うようにします。
第2段階
両手を腰の当たりまで上げます。
いち、で両手をゆっくり下腹にむかってずらします。
にい、で下腹の上で両手の中指の先が出会います。これは、第一段階のときの両手の位置と同じです。
さん~で第一段階と同じ様に、指先を丹田に押し込みながら残りの息を全部吐きます。丹田はいち、にい、さん~で少しずつ固くなります。
吸うときは、両手を腰まで上げながら、丹田から肺まで一杯になるような感じで吸います。
この方法は、丹田に徐々に力をこめながら吐くことが目的です。丹田に力がたまるという感じです。丹田に少し力がこもり、丹田で呼吸しているという実感をつかむことが大切です。
第3段階
今度は、立位でやってみます。
まず、上体を少し後ろにそらします。いちで、そこから少し上体を起こし、にいで、背骨をまっすぐにし、さん~で、屈み込みながら息を吐き切ります。
この屈み込むということが大切です。ちょうど両手に重い荷物をもったような姿勢です。
背骨をまっすぐにしたままで屈み込むと丹田に力がこもってきます。手の動きは第二段階と同じです。
いちで、上体を起こしながら、両手は下へずらし、にいで、背骨をまっすぐにし、両手の中指の先は丹田の上でくっつける。
さん~で、上体を屈めて丹田に力をこめていく。両手の指先は丹田に押し込みながら、最後まで息を吐き出します。